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離婚のよくあるご質問
離婚にはどのような種類、手続がありますか

離婚にはどのような種類、手続がありますか?

離婚には、①協議離婚、②調停離婚、③審判離婚、④裁判離婚、⑤和解離婚、⑥認諾離婚の6種類があります。以下、それぞれの手続について説明します。

①協議離婚

協議離婚は、民法763条の「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。」との定めに従い、夫婦で合意して離婚届をすることにより成立する離婚です。裁判所を一切利用せず、当事者だけで完結できる点で②~④と異なります。

夫婦間に未成年の子がいる場合、離婚と同時に一方を親権者と定めなければなりません(819条1項)。また、成人2名以上の証人が必要です(739条2項)。その他戸籍法と同施行規則の定める記載事項があります(戸籍法76条、同施行規則57条1項)。

これらに従っていない離婚届は受理されません(765条1項)。市町村役場に備えてある離婚届の様式を用い、各欄に記入することで、これらの要件や記載事項を満たした届になります。

養育費、面会交流、財産分与、年金分割、慰謝料などの取り決めは、離婚届には書きません。しかし、後日の争いを防ぐためにはその内容を文書化しておくことが望ましく、特に金銭問題で必要がある際に取立てが容易になる公正証書を利用することが有効です。

離婚届を出す役所はどこの市区町村でもよく、郵送も可能です。必要であれば受理証明書を発行してもらうことができます。

なお、一度は離婚に合意して離婚届を書いて相手方配偶者に渡してしまったが、やはり気が変わって離婚したくなくなったという場合、離婚届が未提出であれば不受理申出制度が使えます。

②調停離婚

調停(家事調停)とは家庭裁判所で行われる、当事者間の合意をめざす手続です。相手方配偶者が離婚に反対して①の協議離婚ができない場合、民法770条所定の離婚事由の存在を主張して離婚の訴えを起こし、④の裁判離婚を目指すことが考えられます。

しかし、調停前置主義により訴訟手続の前に調停が行わなければならないことになっています。調停で両当事者が合意できた場合には離婚が成立し、調停離婚と呼ばれます。また、離婚自体は合意できているがその条件が折り合わず夫婦間の話し合いだけでは解決できないような場合にも調停を利用できます。

調停を始めるには、家庭裁判所に調停の申立てを行います。裁判所には管轄があり、申立ては相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所に対して行わなければなりません(家事事件手続法245条1項)。申立て費用は収入印紙1,200円+予納郵券です。

3か月以内に取得した夫婦の戸籍全部事項証明書が添付書類として必要です。申立書が受理されると事件番号が付され、期日が指定されます。あらかじめ参考事項として、夫婦間の問題や子供に関する事情などを「事情説明書」などの形で提出するように求められるのが通常です。

調停は裁判官1名、家事調停委員2名からなる調停委員会によって進行されます。裁判官は多忙なため、期日には出席しないことが多いです(調停成立時には必ず出席します。)。調停委員が当事者の話を聞き、論点を整理したり、譲歩の提案をしたりして、当事者の合意を目指していきます。

当事者は双方が同じ期日に呼び出されますが、状況により当事者相互の対面を避け、別々の部屋で待機させ、交互に調停室に呼んで話を聞くという方式もよく取られています。

調停の結果、合意が成立するとその内容が調停調書に記載されます。調停調書には確定判決と同じ効力があり(家事事件手続法268条1項)、金銭の支払いを内容とした条項であれば執行力も有します。

ただ、戸籍は自動的に変更されないので、調停を申し立てた当事者が別途、調停成立から10日以内に調停による離婚の届をする必要があります(戸籍法77条、63条、同施行規則57条)。

合意ができない場合、調停機関により調停不成立とされて手続が終了することがあります。申立人が取り下げて終了させることもできます。調停が終了しても自動的に離婚訴訟に移行することはなく、改めて離婚の訴えを提起することが必要です。

③審判離婚

審判離婚は調停が行われている状況を前提として、例外的な場合になされる「調停に代わる審判」によって成立する離婚です。

法律上、離婚請求は審判事項ではなく訴訟事項なので、調停での離婚が成立しなければ訴訟の段階へ進むのが原則です。しかし、離婚自体は合意できているが金銭面などのわずかな食い違いで調停成立に達しないような場合に、その点だけの判断を求めて訴訟手続を行うことには無駄が多く、調停手続の経緯を生かした職権判断で終結させることができれば合理的です。

このような場合のために、家事事件手続法284条により「調停に代わる審判」の制度が設けられています。家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で事件の解決のため必要な審判をすることができます。

審判離婚ができる場合の例として

  • 離婚自体の合意はできているが、その他の論点でわずかな食い違いがあって合意に至らない場合
  • 当事者の一方が遠隔地にいて出頭できないが、離婚意思は確認できている場合
  • 相手方が理由なく調停期日に出頭せず、婚姻関係も破綻していると認められる場合

などがあると言われています。

調停に代わる審判は、2週間以内に異議申立てがあると効力を失います(家事事件手続法286条、279条)。

④裁判離婚

訴訟を行い、判決で成立する離婚です。離婚を求める者が原告となり、民法770条1項所定の離婚事由の存在を主張立証します。その離婚事由とは、

1号 不貞行為

2号 悪意の遺棄

3号 3年以上の生死不明

4号 強度の精神病

5号 その他婚姻を継続しがたい重大な事由

の5種です。

まず、前述の調停前置主義があるので、先に調停を申し立てる必要があります。調停を経ないで訴えを提起すると、却下にはなりませんが、職権で調停に付されることになります。

調停を経ている場合には、それを証明するために調停不成立証明書を添付したり、取下げで終わっている場合には事件番号を付して事情説明を行う必要があります(実質的な調停活動が行われていないと、調停を経ていると認められないことがあります)。

離婚訴訟の管轄は、夫または妻の住所地の家庭裁判所に専属します(人事訴訟法4条1項、民事訴訟法4条2項)。調停では「当事者が合意で定める家庭裁判所」にも管轄が認められているのに対し(家事事件手続法245条1項)、専属管轄であって合意管轄は認められないので、調停と異なる裁判所になることがあります。

もっとも、当事者の意見その他の事情を考慮して特に必要があると認められる場合には、同じ家庭裁判所が処理してもよいという「自庁処理」の制度があります(人事訴訟法6条)。この自庁処理が認められない場合には、事件は管轄裁判所へ移送されます(民事訴訟法16条1項)。

訴えを提起するには、訴状を裁判所に提出します。訴訟の費用訴額によって定まりますが、離婚請求は非財産権上の請求であり、訴額は160万円とみなされることになっています(民事訴訟費用等に関する法律4条2項)。160万円に対する費用は1万3,000円で(同法別表第一1項)、収入印紙で納めます。

離婚訴訟では、財産分与や養育費についての附帯処分をすることもできますが(人事訴訟法19条)、その場合は費用額が増えます。また、慰謝料請求を合わせる場合は併合審理を求めることになり、訴額は大きい方で決まります。訴訟費用のほかに、裁判所が指定する額の予納郵券を納めなければなりません。訴状が受理されると、事件番号が付され、担当裁判所が決まり、期日が指定されます。

訴訟手続は、証拠により事実を認定して法律をあてはめ結論を出す、という裁判の典型的な手順を行うものです。どのような具体的な事実があって、それがどの離婚事由に該当するのか、その事実を証明する証拠は十分あるのかなどについて、十分に準備をして臨む必要があります。

通常の民事訴訟では裁判所は当事者の主張・立証に縛られるのに対し、離婚のような人事訴訟では当事者が主張しない事実を斟酌し、かつ、職権で証拠調べをすることもできるとされています(職権探知主義、人事訴訟法20条)。しかし、裁判所が積極的に当事者を離婚させようとするわけにはいかないため、離婚訴訟の場合には職権発動は抑制的だといわれています。

離婚を求める側としては、自分の主張と立証で勝てるだけの準備が必要です。附帯処分や親権者の指定に関しては、職権で調査が行われます(同法33条)。家庭裁判所調査官に調査を命じることもあり(同法34条)、調査官は家庭訪問や子供の意向調査などを行います。必要な証拠調べが終われば結審し、判決期日が言い渡されます。

判決に対しては、上訴をすることができます。上訴期間内に上訴をしなければ確定し、離婚が成立します。確定した日から10日以内に市区町村に対して判決による離婚の届をする必要があります。

⑤和解離婚

和解離婚は、平成16年に施行された人事訴訟法により創設された、新しい離婚のルートです。離婚の訴えを起こして審理が進んでから、訴訟上の和解をすることで成立する離婚です。

人事訴訟には公益性があるため、当事者による処分権がある程度制限されています。前述の職権探知主義もその表れですが、訴訟上の和解や請求の認諾・放棄という形で訴訟を終わらせることも一般的には制限されています。

しかし、離婚については当事者がその点合意している限り、訴訟手続開始後も処分を認めてよいと考えられるので、新しい人事訴訟法では離婚についてのみ、和解と認諾・放棄を認めるようになりました。

和解内容は、調書に記載されると確定判決と同様の効果を生じます(民事訴訟法267条)。

⑥認諾離婚

⑤と同様、平成16年からの新しい離婚のルートです。請求の放棄とは、訴訟係属中に原告がその請求のすべてを放棄して訴訟を終わらせることです。

逆に請求の認諾とは、被告が原告の請求をすべて認めて訴訟を終わらせることです(民事訴訟法266条)。いずれも、調書に記載されたときには確定判決と同様の効果を生じます。離婚訴訟の場合はいうまでもなく、認諾の場合のみ離婚が成立します。

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