面会交流(面接交渉)とは、子の父母が別居中あるいは離婚した場合などにおいて、子を監護していない親(非監護親)が、子を監護している親(監護親)に対して、子と面会、その他の交流を図ることを求めることをいいます。
解説
1 面会交流とは
夫婦が離婚をする際には、子の監護に関する事項として、子の監護者、養育費とあわせて、父又は母と子との面会及びその他の交流について、夫婦間の協議で決めることができます(民法766条1項)。
離婚に際して監護者とならなかった父又は母と子との面会及びその他の交流を、面会交流といいます。
別居中の夫婦に関する面会交流の規定はありませんが、別居中の夫婦にもこの規定が準用されると解されています(平成12年5月1日最高裁判決)。
2 面会交流の目的
面会交流は、子の利益・子の福祉を目的として行われます。そのため、面会交流を決めるにあたっては、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」(同項)と、規定されています。
3 面会交流の方法
面会交流の方法は、夫婦の協議で自由に決めることができ、その具体例として次のような方法があります。
3-1 直接交流
非監護親である父又は母が、子と直接会って、交流する方法です。
月に1回程度など頻度、時間や場所を決めて面会する方法、夏休みなどの子どもの長期休暇に合わせて宿泊を伴って面会する方法など、様々な方法があります。
3-2 間接交流
非監護親である父又は母が、子と直接会うことなく、間接的に交流する方法です。
手紙や写真を送る、メールや電話(テレビ電話)などで交流する方法や誕生日やクリスマスにプレゼントを贈って交流する方法など、様々な方法があります。
3-3 その他の交流
幼稚園・保育園、小中学校などの学校行事(授業参観、運動会など)に参加して交流する方法などもあります。
4 面会交流の定め方
面会交流は、夫婦の話し合い、協議によって、行うことができます。話し合いや協議ができない、調わないときは、家庭裁判所の調停、審判や裁判で面会交流を決めることができます。
離婚調停のように、調停前置主義はとられていませんが、実務上、面会交流調停を経ることなく面会交流審判を申し立てた場合、家庭裁判所の職権(判断という意味です)で、調停に付されることが多いです。
関連条文
民法 766条
第1項 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
第2項 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。
第3項 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前二項の規定による定めを変更し、その他子の監護について相当な処分を命ずることができる。
第4項 前三項の規定によっては、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生じない。