離婚調停とは、家庭裁判所で、夫婦が、調停委員を通して、離婚について話し合い、合意の成立を目指す裁判手続きです。
解説
1 離婚調停とは
調停とは、当事者が、裁判所において、問題になっている事を話し合い、合意することで解決を目指す手続きです。
家庭裁判所で行われる調停のことを、家事調停と呼びます。
家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件について、調停を行うことができます(家事事件手続法244条)。
離婚裁判は、この人事に関する訴訟事件(人事訴訟と呼ばれています)のうちの1つであり(人事訴訟法2条1号)、離婚は、家事調停の対象となります。
すなわち、離婚調停とは、家庭裁判所で、夫婦が、離婚について話し合い、合意の成立を目指す裁判手続きです。
2 夫婦関係調整調停(離婚)
離婚調停は、裁判所では、「夫婦関係調整調停(離婚)」と呼ばれています。
3 離婚調停が行われる家庭裁判所
離婚調停は、調停を申し立てられた側(相手方といいます)の住所地を管轄する家庭裁判所か、夫婦が合意で定めた家庭裁判所で行われます(家事事件手続法245条第1項)。
4 離婚調停を行う機関
離婚調停は、裁判官一人と家事調停委員2人以上で組織された調停委員会が、行います(同法247条、248条)。
5 離婚調停における話し合いの方法
離婚調停では、夫婦は、調停委員を介して、話し合いをします。
具体的には、夫婦を同席させることはなく、一人ずつ調停室(家庭裁判所の一室です)に呼び出し、順次、夫婦を入れ替えて話しをします。
関連条文
家事事件手続法 244条
家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。
人事訴訟法 2条
この法律において「人事訴訟」とは、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え(以下「人事に関する訴え」という。)に係る訴訟をいう。
一婚姻の無効及び取消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効及び取消しの訴え並びに婚姻関係の存否の確認の訴え
二 (以下略)
家事事件手続法 第245条第1項
家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。
同法 第247条第1項
家庭裁判所は、調停委員会で調停を行う。ただし、家庭裁判所が相当と認めるときは、裁判官のみで行うことができる。
同法 第248条第1項
調停委員会は、裁判官一人及び家事調停委員二人以上で組織する。
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