和解離婚とは、離婚訴訟において、裁判上の和解によって、離婚することをいいます。
和解離婚した場合でも、役所への離婚届の提出は必要です。
解説
1 和解離婚とは
和解離婚とは、離婚方法の1つであり、離婚訴訟において、裁判上の和解によって、離婚することをいいます。
離婚裁判によって離婚することから、裁判離婚の1つに分類されます。なお、裁判離婚には、和解離婚のほか、判決離婚、認諾離婚などがあります。
2 和解離婚成立までの流れ
離婚を求める当事者が離婚訴訟を提起し、離婚訴訟において、夫婦が離婚に合意し、その合意内容が調書(和解調書)に記載さると、和解離婚が成立します(人事訴訟法37条参照)。
なお、和解離婚では、受諾和解(当事者の一方が期日に出頭せず、あらかじめ、裁判官が提示した和解条項案に書面で受諾することにより、和解を成立させる方法)は認められません。
和解調書には、「原告と被告は、本日、和解離婚する」「原告と被告は、被告の申し出により、本日、和解離婚する」などと記載されます。
3 和解離婚と離婚成立日
和解離婚では、和解成立の日が、離婚成立の日となります。
4 和解離婚後の離婚届の提出
和解離婚の成立によって、当事者は離婚しますが、離婚届を役所に提出しなければ、それが戸籍に反映されません。
そこで、和解離婚成立後10日以内に、離婚届を提出する必要があります。
また、和解調書謄本を添付して、離婚届を提出する必要があります。
5 和解離婚と戸籍の記載
当事者が、和解離婚によって離婚したことは、戸籍に記載されます。
関連条文
人事訴訟法 37条
第1項 離婚の訴えに係る訴訟における和解(これにより離婚がされるものに限る。以下この条において同じ。)並びに請求の放棄及び認諾については、第十九条第二項の規定にかかわらず、民事訴訟法第二百六十六条(第二項中請求の認諾に関する部分を除く。)及び第二百六十七条の規定を適用する。ただし、請求の認諾については、第三十二条第一項の附帯処分についての裁判又は同条第三項の親権者の指定についての裁判をすることを要しない場合に限る。
第2項 離婚の訴えに係る訴訟においては、民事訴訟法第二百六十四条及び第二百六十五条の規定による和解をすることができない。
第3項 離婚の訴えに係る訴訟における民事訴訟法第百七十条第三項の期日においては、同条第四項の当事者は、和解及び請求の認諾をすることができない。