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自分でできる協議離婚-離婚届の書き方、印鑑、間違えたときの訂正の仕方

自分で協議離婚をすすめたい方に、弁護士が離婚届の書き方を分かりやすくご紹介
協議離婚は、夫婦が離婚に合意することと、離婚届の提出で成立します。
夫婦が離婚に合意し、離婚協議書や公正証書の作成など離婚の準備が調ったら、離婚届を書きます。

離婚届の記載に不備があると、離婚届を受け付けてもらえない、補正を求められる、離婚届が受理されないなどの不都合が生じます。
今回は、自分で協議離婚を目指す方に向けて、離婚届の書き方、使用する印鑑や間違えたときの訂正の仕方をお伝えいたします。

1 離婚届を書く準備をする

1-1 離婚届を入手する

離婚届を書くために、まずは、離婚届を入手しましょう。
離婚届は、市役所、区役所及び町村役場(各支所や出張所等の出先機関を含みます)の戸籍の窓口で受け取れますし、市区町村のホームページからダウンロード・印刷して入手することもできます。

関連記事離婚届はどこで入手・ダウンロードできますか?

1-2 夫婦の戸籍(コピー可)または本籍地の記載のある住民票(コピー可)

離婚届は、基本的に、夫婦の戸籍や住民票のとおりに記載していきます。
「名古屋市中村区名駅3-23-6」等、略記号を用いて住所や本籍などを記載することはできませんし、「23番地」「23番」のいずれか、「6」「6号」のいずれかなど、把握する必要があります。
戸籍や住民票のコピーがあれば、これらを見て書くことができ、間違いを減らすことができます。
また、夫婦の戸籍謄本は、離婚届を本籍地以外の役所に提出する場合の添付書類としても必要です。

2 離婚届の記載事項一覧

離婚届は、様式が法律で定められており、標準様式の離婚届には、余白部分に事務処理欄や記入の注意などが書かれています。
離婚届には、以下の記載項目があります。
 ・届出の年月日
 ・夫婦の氏名・生年月日
 ・夫婦の住所・世帯主
 ・夫婦の本籍・筆頭者
 ・夫婦の父母の氏名、父母との続き柄
 ・離婚の種別
 ・婚姻前の氏にもどる者の本籍
 ・未成年の子の氏名
 ・同居の期間
 ・別居する前の住所
 ・別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業
 ・その他
 ・届出人署名押印
 ・証人2名の署名押印、生年月日、住所、本籍 ※協議離婚の場合のみ
 ・欄外:面会交流や養育費の分担

離婚届記載例(PDF)はこちら:離婚届記載例 

3 離婚届の「届出の年月日」欄の書き方

届出の年月日は、市区町村役場の窓口に離婚届を提出するときは、提出する日を記載します。
郵送で離婚届を提出するときは、発送日を記載します。
提出又は発送の直前に記載することをお勧めします。

4 離婚届の「氏名・生年月日」欄の書き方

氏名及び生年月日は、現在の夫婦の戸籍に記載されているとおりに記載します。
氏名は、離婚前の氏名、すなわち、現在の氏名を記載します。
生年月日は、西暦で記載しても元号と一致していれば補正までは求められませんが、不一致を避けるためにも、日本人の場合は元号で記載するとよいでしょう。

5 離婚届の「住所・世帯主」欄の書き方

住所及び世帯主は、住民票に記載されているとおりに記載します。
すでに別居しているけれど、住民票は夫婦が同居していた当時のままになっている場合でも、同様です。

6 離婚届の「本籍」欄の書き方

本籍及び筆頭者は、現在の夫婦の戸籍に記載されているとおりに記載します。

7 離婚届の「父母の氏名、父母との続き柄」欄の書き方

父母の氏名・父母との続き柄は、現在の夫婦の戸籍に記載されているとおりに記載します。
父母が婚姻中の場合は、母欄は名のみ記載します。

8 離婚届の「離婚の種別」欄の書き方

離婚の種別は、該当する離婚の手続きに、☑このようにレ点をいれます。手続きごとに成立の年月日や確定の年月日をいれます。

9 離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄の書き方

婚姻前の氏にもどる者の本籍は、離婚によって旧姓にもどる者(復氏といいます)が、婚姻前の従前の戸籍に戻るか、新しい戸籍をつくるか、選択する方に☑このようにレ点をいれます。
従前の戸籍に戻る場合は、戸籍の記載とおり、従前の本籍と筆頭者の氏名を記載します。
新しい戸籍をつくる場合は、新しい本籍の場所と筆頭者の氏名(婚姻中の氏ではなく、復氏した後の氏で)を記載します。
なお、夫婦の戸籍に子どもがいるときは、別途、注意が必要です。

関連記事離婚後、旧姓に戻す手続き、名字を変えない・婚姻中の氏を使いたい場合の手続きは?

10 離婚届の「未成年の子の氏名」欄の書き方

未成年の子の氏名は、「夫が親権を行う子」、「妻が親権を行う子」に、それぞれを分けて記載します。

11 離婚届の「同居の期間」「別居する前の住所」「別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業」欄の書き方

同居の期間、別居する前の住所及び別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業は、人口動態調査票作成のために記載します。
記憶している限りで事実を記載すれば足ります。
離婚後に別居する場合は、同居の開始年月のみ記載し、その他欄に、「同居中につき(7)(8)欄は空欄である。」と記載します。
同居しないまま離婚する場合は、全て空欄にし、その他欄に、「同居しないまま離婚したため(6)(7)(8)欄は空欄である。」と記載します。

12 離婚届の「その他」欄の書き方、書く内容

その他欄には、戸籍の記載に必要な事項で、各欄に記載することができない事項を記載します。
例えば、上記11のとおり、記入が必要な欄を空欄にするときにその理由を記載します。添付書類や離婚後も婚姻中の姓を使用し続ける場合の婚氏続称の届出を同時にする場合なども、その旨を記載します。
その他欄の記載内容は多岐にわたりますし、記載する必要がない事項を記載しているときは、補正を求められることがあります。
ご自身の場合に何を記載すべきか、役所の窓口に問い合わせるのが確実です。

13 離婚届の「届出人署名押印」欄の書き方と印鑑

協議離婚の場合は、夫婦の双方が署名押印します。
印鑑は、実印でなくとも、認印でよいとされていますが、各自別々の印鑑を使用してください。
ゴム印、シャチハタやスタンプ印は使用できないことになっています。
なお、調停離婚や裁判離婚など協議離婚以外の手続きで離婚する場合は、届出をする夫婦の一方のみの署名押印でたります。

14 離婚届の「証人」欄の書き方

協議離婚をする場合、成人2名に、証人欄に生年月日、住所や本籍を記載の上、署名押印してもらう必要があります。
書き方は、それぞれ上記と同様です。
証人は、友人・知人、親戚、第三者、外国人でも問題ありません。

15 欄外「面会交流、養育費の分担」について

平成24年に民法改正が行われ、協議離婚する際に、未成年の子がいる場合は、面会交流や養育費の分担を定めるべきことが明記されました(民法766条第1項)。
これをうけて、離婚届の欄外に、面会交流や養育費の分担を記載する箇所がもうけられている様式の離婚届が多くなっています。
ただし、親権と異なり、面会交流や養育費の分担の取り決めがないと離婚届が受理されないわけではありません。あてはまるものに☑このようにレ点をいれればたります。

16 間違えたときの訂正の仕方

記載を間違えたときは、間違えた箇所に二重線を引きます。
そして、欄外に、署名押印欄に押印した印鑑と同じ印鑑を訂正印として押します(協議離婚の場合は夫婦双方の印鑑)。
役所の窓口に備え付けられている離婚届の多くは、欄外に、訂正印を押すための枠がもうけられています。
書き間違いや訂正がない場合でも、捨印として届出印を押しておくとよいでしょう。離婚届の記載に不備があると、本来、届出する人に補正を求められるのですが、欄外に捨印が押してあると、軽微な誤りなら役所の担当職員が訂正してくれる場合があるからです。
削除する文字数や訂正する文字数、追加(加入)する文字数を記載する欄がもうけられている場合も多いですが、最終的に何文字訂正等がされるか(されないか)、離婚届を提出する時点では分かりませんし、捨印を押した上で、空欄にしておくとよいです。 

17 まとめ

離婚届の書き方、離婚届に使用する印鑑や間違えたときの訂正の仕方について、お伝えしました。
離婚届を書く前に、夫婦の現在の戸籍や住民票のコピーを準備しておくと、それらをそのまま書き写せばよい事項が多く、比較的簡単に書くことができることが、お分かりいただけたかと思います。
離婚届への記入が終わったら、必要な添付書類を揃えて提出することになります。
離婚届の提出方法等は、別の記事で記載していますので、こちらもぜひご覧ください。

当事務所では、弁護士に、継続的に相談しながら、自分で離婚手続きをすすめられるアドバイスフォロープランがあります。最大3時間まで、電話での相談も可能です。
離婚の準備、離婚の話し合いのすすめ方、離婚届の書き方、出し方など、弁護士に相談しながら自分で離婚手続きをすすめたい方は、ぜひご活用ください。

 

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