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自分でできる離婚調停-調停当日の持ち物や服装、親や子どもの同席・付き添い

自分で離婚調停をすすめたい方に、弁護士が離婚調停当日の服装・持ち物・付き添いや子ども連れなどご紹介
離婚調停は、家庭裁判所で、調停委員を介して離婚を話し合い、夫婦が合意した場合、離婚が成立します。
今回は、自分で離婚をすすめたい方に向けて、離婚調停の当日の流れ、持ち物や服装、メモを取ることや心構え、親の同席・付き添い、お子様連れで家庭裁判所へ行く場合の注意事項などを、離婚調停に行こうと思った際に多くの方が気にされることについて、詳しくお伝えいたします。

なお、離婚調停で話すこと、聞かれること、してはいけない不利な発言など離婚調停の内容、また、離婚調停の期間や回数、日程変更や延期したい場合などスケジュールについては、離婚調停の進め方②で詳しくお伝えしていますので、そちらを参照ください。

1.離婚調停当日の大まかな流れ

  1. 離婚調停の当事者は、それぞれ指定された日時に、離婚調停の行われる家庭裁判所に行きます。家事調停の出席者の受付窓口で、受付をすませます。
  2. 申立人は申立人用の待合室に、相手方は相手方用の待合室に入室し、調停委員に呼ばれるまで、待機します。
  3. 調停委員に呼ばれたら、調停室に入室し、調停委員と話しをします。第1回目の離婚調停では、通常、申立人から先に話しを聞かれます。2回目以降は、前回までの調停での話しの流れなどに合わせて、順序が変わります。
  4. 一通り話しが終わったら、調停委員の指示にしたがい、待合室に戻り、再度、調停委員に呼ばれるまで、待機します。この間、先ほど呼ばれなかった方が、調停室に呼ばれ、調停委員と話しをしています。
  5. その日の話し合いが終わるまで、③と④を繰り返します。
  6. その日の調停では結論が出ない場合、次の調停の日時を調整して、その日の調停は終了します。※2回目以降の調停では、原則として、当事者のいずれにも、裁判所から呼出状等は届きません。

2.離婚調停でのメモ、録音、録画

家庭裁判所では、基本的に、録音や録画は禁止されています。 

他方、調停室内であっても、原則としてメモを取ることは自由です。

調停委員から伝え聞いた相手の言い分や希望する離婚条件、次回の調停までの準備事項、次回の調停の日時など、その場でメモを取ることが出来ます。

次回の調停までに時間が空く場合も多いため、忘れたりしないよう、正確にメモを取ることをおすすめします。

3.相手と会うことがあるか、絶対に会いたくない場合

3-1 基本的には会わない

離婚調停は、先に述べたとおり、当事者を入れ替えて話し合いをするため、相手と顔を会わせる、また、相手も同席の上で離婚の話し合いをするということは、基本的にありません。

3-2 相手に会わないための注意点

離婚調停に出席する際、当事者と会わずにすむかは、次の点に、注意が必要です。

第1に、調停室以外で、当事者同士が鉢合わせする可能性です。

当事者が、同一日時に、同じ場所に集まっている以上、出入り口、エレベーター、トイレや駐車場、さらに、家庭裁判所の付近などで、鉢合わせする可能性がないわけではありません。

第2に、離婚調停を成立させる場合、裁判官が意思確認を行うため、当事者に同席を求めます。

離婚調停を成立させる場面でも相手と会いたくない場合、代理人弁護士を選任することをおすすめします。代理人弁護士がいれば、代理人弁護士が同席すれば足りる運用にしている家庭裁判所が多いです。

また、当事者を同席させることが相当でない事案では、家庭裁判所においても同席をさせない対応が取られます。

代理人弁護士がいない場合、離婚調停成立までに、当事者の同席が相応しくない事案であることを家庭裁判所に伝え、同席させないようお願い(上申)しておくとよいでしょう。

関連記事離婚調停で相手に会いたくないです。会わないですみますか?

4.離婚調停に行くときの持ち物や服装、心構え

4-1 持ち物

離婚調停の持ち物は、次のものがあります。

裁判所に提出した資料の控え一式

離婚調停申立書(申立人)、陳述書、収入等の資料など。調停委員は、これらの書類を見ながら調停をすすめます。手控えがあると話がすすみやすいです。

裁判所から受け取った資料一式

離婚調停の呼出状(調停期日通知書)及び離婚調停申立書(いずれも相手方)、裁判所で謄写した書類など。上記同様、手控えがあると話がすすみやすいです。

離婚事件に関連する資料一式

裁判所には提出していない、提出されていない資料であっても、関連する資料は持参しましょう。必要に応じて提出、提示、また、手元資料として見ながら話をすることができます。

家庭裁判所から持参・提出するよう指示された資料一式

家庭裁判所や調停委員から、持参・提出するよう指示された資料は、円滑に調停を進める上で必要な資料です。必ず指示に従いましょう。

本人確認できる身分証

調停をはじめる際、本人確認されることがあります。

印鑑(認め印可)

裁判所への書類提出や書類の受領など、裁判所とのやりとりでは、押印を求められることが多いです。持っていると便利です。

手帳などスケジュールの把握できるもの

次回の調停の日程を決める際、必要となります。

メモ帳や筆記用具

調停の際、メモを取るのに必要です。

なお、離婚調停では、待合室での待機時間が長時間に及ぶ場合があります。待機時間用に、書籍や雑誌、スマホやタブレットを持参するのもよいでしょう。ただし、音漏れのする音楽機器等の使用は控えましょう。

4-2 服装

服装について、特段取り決めはなく、普段、外出する際に着ている常識的な服装であれば、あまり気にする必要はありません。

調停委員に悪印象を持たれかねない非常識な服装や、ご自身の主張と矛盾する服装(財産がない、生活が苦しいと主張する一方で高級ブランドや高級品を身につけるなど)は避けましょう。

4-3 心構え

離婚調停では、家庭裁判所という普段あまり行き慣れない場所に行くことになりますが、特別な心構えは必要ありません。

離婚調停が長期化するほど、“疲れた、辛い、苦しい、大変だ、めんどくさい”など、ストレスを感じることは多くなります。

あまり気負わず、柔軟な心と落ち着いた気持ちで、離婚調停にのぞみましょう。

5.離婚調停への親などの同席や付き添いについて

家庭裁判所の待合室までであれば、親の同席、付き添いは可能です。

離婚調停に親が同席を希望するケースは少なくありません。

しかし、調停室には、原則として、当事者本人と代理人弁護士以外の同席、付き添いはできません。

心身の疾病等によりご本人のみでは調停に出席することが難しい場合や、裁判所や調停委員が、調停を円滑に進める上で必要と判断するごく例外的な場合に、親などの同席・付き添いが認められることがあります。

離婚事件に夫婦である当事者以外が関わることについて、家庭裁判所はあまりいい印象を持っていません。ご本人だけではどうしても心配だという親御様は、弁護士に依頼してフォローしてもらう方がよいでしょう。

6.お子様(乳児)連れで家庭裁判所へ行く場合の注意事項

離婚調停に、お子様を連れて、特に、赤ちゃんや乳幼児などを連れていらっしゃる方は少なくありません。

多くの家庭裁判所の待合室には、ベビーベッドが備え付けられており、おむつ交換台や授乳室・授乳スペースのある裁判所もありますが、託児施設はありません。

また、待合室での待機時間も含め、調停は、長時間に及ぶことが多いです。小さいお子様は、狭い室内で、長時間、静かに待つことが難しいでしょう。

小さなお子様がいる方は、できるだけ親戚や託児施設に預けて家庭裁判所にくるのがよいでしょう。

それが難しい場合、どなたかに待合室まで付き添ってもらい、調停中、待合室等で預かってもらうのがよいです。

預け先がなく、また、付き添いも頼めない場合、調停への同席も可能ではありますが、お子様にとって負担になる可能性があります。

以上に加え、お子様を家庭裁判所に連れてくる場合、相手と会う可能性があることもふまえる必要があります。

先に述べたとおり、離婚調停では、夫婦は基本的には会わないように進められます。しかし、家庭裁判所内やその付近で、鉢合わせすることがないわけではありません。お子様が大きな声を出されれば、相手に聞こえることもあるでしょう。それらが当事者を刺激し、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。親権や面会交流でもめている場合など、特に注意が必要です。

関連記事:離婚調停に親は同席、付き添いできますか?赤ちゃん・子どもを連れて家庭裁判所に行ってもいいですか?

7.まとめ

自分で離婚をすすめたい方に向けて、離婚調停のおおまかな流れから、離婚調停の当日の流れ、持ち物や服装、メモを取ることや心構え、親の同席・付き添い、お子様連れで家庭裁判所へ行く場合の注意事項など、離婚調停に行こうと思った際に、多くの方が気にされることについて、詳しくお伝えしました。

服装は普段どおりで、あまり気負うことなく出席すればいいですが、意外に持ち物は多く、メモを取りながら話しをしなければならないこと、親などに同席や付き添いを頼むことは難しいのがお分かりいただけたかと思います。

離婚調停で頼りになるのは、自分自身か、代理人弁護士です。

自分自身で離婚調停を進めることに苦痛や限界を感じていらっしゃる方は、当事務所弁護士に、離婚調停をお任せください。

離婚調停を進めていく上で、分からないことや確認しておきたいことなどがあったら、当事務所の弁護士に電話で相談しながら、離婚調停をすすめていくこともできます。ぜひ、ご活用ください。

 

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