年金分割のための情報通知書とは、合意分割による年金分割をする際に、按分割合を決定するために必要な情報が記載された書類です。
解説
1 年金分割のための情報通知書に記載されている情報
年金分割で、合意分割をする際には、按分割合を決定するためには、
・年金分割の対象となる期間
・その期間における当事者それぞれの標準報酬月額・標準賞与額
・按分割合を定めることができる範囲
などの情報を正確に把握する必要があり、年金分割のための情報通知書には、これらの情報が記載されています。
2 年金分割のための情報通知書の入手方法
年金分割の当事者の双方または一方が、年金事務所(旧共済保険制度の場合は各共済窓口)に請求することで、入手することができます。
3 年金分割のための情報通知書が必要となる場合
年金分割のための情報通知書は、年金分割を含めた離婚調停や年金分割調停を申し立てる際、離婚裁判で年金分割の按分割合に関する附帯処分を求める場合などに、添付書類として必要となります。
年金分割の按分割合について、当事者間で話し合いをする際にも、按分割合の範囲を確認するために、年金分割のための情報通知書を取得することをおすすめします。
なお、按分割合の範囲について、上限は50%ですが、下限は分割を受ける前の持分に当たる割合とされています。年金分割の対象となる婚姻期間より以前の厚生年金保険料の納付実績は、分割の対象とならないということです。
関連条文
厚生年金保険法 第78条の4 (当事者等への情報の提供等)
第1項 当事者又はその一方は、実施機関に対し、主務省令で定めるところにより、標準報酬改定請求を行うために必要な情報であつて次項に規定するものの提供を請求することができる。ただし、当該請求が標準報酬改定請求後に行われた場合又は第七十八条の二第一項ただし書に該当する場合その他厚生労働省令で定める場合においては、この限りでない。
第2項 前項の情報は、対象期間標準報酬総額、按分割合の範囲、これらの算定の基礎となる期間その他厚生労働省令で定めるものとし、同項の請求があつた日において対象期間の末日が到来していないときは、同項の請求があつた日を対象期間の末日とみなして算定したものとする。