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調停調書【ちょうていちょうしょ】

調停調書【ちょうていちょうしょ】

調停調書(家事調停の場合)とは、裁判所書記官が、家事調停の期日について、その期日が開かれたこと、日時、出頭した当事者や代理人弁護士及び話し合われた内容の要領などを、記録として作成した公文書のことをいいます。

 

解説

1 調停調書とは

離婚調停などの家事調停では、その調停期日について、裁判所書記官が調書を作成することになっています(家事事件手続法253条)。

このように裁判所書記官が調停期日について作成した調書のことを、調停調書といいます。

調停調書には、その期日が開かれたこと、日時、出頭した当事者や代理人弁護士及び話し合われた内容の要領などが、記載されます。

ただし、家事調停は、基本的には、当事者が話し合って合意を目指す手続きです。

そのため、一般に、裁判官が不要と判断する場合、調書は作成されません(同条但し書き)。

2 調停調書の閲覧・謄写

作成された調停調書は、その家事調停事件の記録として、閲覧(見ること)または謄写(コピーすること)の対象になります。

調停事件の当事者や代理人弁護士、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得れば、調停調書を閲覧・謄写することができます。

3 離婚調停成立の調停調書とその効力

離婚調停などの家事調停において、当事者の合意が成立した場合、必ず調書が作成されます。これは、当事者の合意と、その合意内容の調停調書への記載が、調停成立の要件となっているためです(同法268条1項)。

合意内容を記載した調停調書は、裁判をしてその判決が確定した場合(確定判決)と同じ効力を持ちます。

なお、離婚調停が成立した場合でも、離婚届を役所に提出する必要があり、その場合、離婚届に離婚調停成立の調停調書の謄本を添付する必要があります。

4 離婚調停不成立調書

離婚調停などの家事調停について、当事者の合意が成立せずに終了する場合、通常、調停調書が作成されます。

離婚裁判では、調停前置主義が採用されているため、離婚調停をしないで、いきなり離婚裁判をすることはできません。そこで、離婚裁判を提起する場合、離婚調停が不成立で終了したことが記載された調書(離婚調停不成立調書)の謄本を添付する必要があります。

 

関連条文

家事事件手続法 253条(調書の作成)

裁判所書記官は、家事調停の手続の期日について、調書を作成しなければならない。ただし、裁判長においてその必要がないと認めるときは、この限りでない。

同法 268条 第1項

調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決(別表第二に掲げる事項にあっては、確定した第三十九条の規定による審判)と同一の効力を有する。

 

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