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離婚用語集
強制認知【きょうせいにんち】

強制認知【きょうせいにんち】

強制認知とは、非嫡出子・婚外子について、子の父が任意に認知しない場合に、認知調停や認知訴訟で認知させることをいいます。

解説

1 強制認知とは

法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子を、非嫡出子・婚外子といいます。

非嫡出子・婚外子について法律上の親子関係を成立させる場合、母子関係は妊娠と出産、出生届の提出によって、当然に成立します。

他方、父子関係は、父が子を認知することが必要です(民法779条)。

認知の方法は、任意認知と強制認知の2種類があり、強制認知とは、子の父が任意に子を認知しない場合に、認知の訴えによって認知させることをいいます。

関連記事:認知・認知請求

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2 認知の訴えの提訴権者

子、子の法定代理人(未成年の子の母親など)、子の直系卑属(子の子、父からみた場合の孫・ひ孫など)は、認知の訴えを提起することができます(同法787条)。

3 認知の訴えの期限

認知の訴えについて、期間制限はありません。

ただし、認知請求の相手方である父が死亡してから3年を経過すると、訴えを提起できなくなります(同条ただし書)。

また、子の出生前、胎児について強制認知させることはできません。胎児認知は、任意認知に限られます。

4 認知の訴えの手続き・流れ

認知の訴えは、調停前置主義の適用があります(家事事件手続法257条、同244条、人事訴訟法2条2号)。

したがって、認知訴訟に先立って、相手方である父の住所地を管轄する家庭裁判所に、認知調停を申し立てます。

当事者で管轄の合意がある場合は、合意した家庭裁判所に申し立てることもできます。

認知調停において、当事者間で、子が父の子であるという合意ができた場合、家庭裁判所が必要な調査を行った上で、その合意が正当であると認められれば、合意に従った審判がなされます(審判認知とよばれます)。

合意ができなかった場合、認知訴訟を提起し、父子関係が認められるかを争うことになります。認知訴訟では、裁判所が、当事者の主張や証拠、調査により明らかとなった事実等に照らして父子関係があると認めた場合、判決で強制的に認知させることができます(判決認知とよばれます)。

なお、強制認知を受けた場合でも、認知届の提出は必要です。

関連記事:強制認知とは?手続きの流れ、強制認知の場合の認知届の提出方法は?

 

関連条文

民法779条

嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。

同787条

子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。

家事事件手続法244条

家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。

257条

第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。

人事訴訟法2条

この法律において「人事訴訟」とは、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え(以下「人事に関する訴え」という。)に係る訴訟をいう。

1号 (略)

2号 嫡出否認の訴え、認知の訴え、認知の無効及び取消しの訴え、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百七十三条の規定により父を定めることを目的とする訴え並びに実親子関係の存否の確認の訴え

3号 (略)

 

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