離婚調停の期日(日程)は、担当の裁判官に上申し、担当裁判官がそれを認めた場合に限り、日程変更や延期することができます。
また、離婚調停は、本人に出頭義務がありますが、やむを得ない理由がある場合は、代理人弁護士のみを出頭させることができます。
正当な理由なく欠席すると、過料の制裁が科される可能性があります。
1.離婚調停の期日(日程)の決定権
離婚調停の期日(日程)は、その事件を担当する裁判官が指定する権限を有しています(家事事件手続法34条1項)。
期日を延期、変更する権限も同様です。
2.離婚調停の期日(日程)の変更や延期は容易ではない
離婚調停の期日の変更は、「顕著な事由」がある場合に限って、変更することができます(同条3項)。
これは、簡単には、期日の変更や延期ができないという意味です。
離婚調停の期日は、家庭裁判所側の調整(調停室の空き状況、担当裁判官(1名)及び担当調停委員(2名以上)のスケジュール)、申立人側(本人及び代理人弁護士のスケジュール)の調整、相手方側(一般的に、初回期日のみ相手方側の予定は確認されません)の調整を踏まえて、担当裁判官が決定します。
大勢の調整を経て、期日を指定した以上、安易に変更することは相当ではありません。
3.他方当事者の同意
期日の変更・延期に対して、他方当事者が同意する、または、異議をとなえないことは、離婚調停の期日を変更、延期する「顕著な事由」を判断する上で、重要な要素となります。
4.離婚調停を日程変更・延期する方法
離婚調停の日程を変更、延期したい場合、担当裁判官にその旨を上申(お願い)し、裁判官の判断・決定によって、変更、延期してもらう必要があります。
その際、「顕著な事由」があると、裁判官に判断してもらうため、そのような事由があることを明らかにする必要があります。
例えば、病気やケガで延期を希望する場合は診断書を提出するほか、先ほど述べたとおり、他方当事者に対し、日程の変更に同意してもらうか、少なくとも異議を述べないようお願いしておくとよいでしょう。
5.離婚調停と本人の出席
離婚調停は、当事者の話し合いによって、合意の成立を目指す手続きであるため、本人が出頭しなければなりません(同法258条1項、51条)。
ただし、やむを得ない事情があって本人が出頭できない場合、代理人弁護士を出頭させることができます(同条2項但し書き)。もっとも、家庭裁判所は、本人の出席が必要であると考えて、本人を呼び出していますので、代理人弁護士のみの出席で足りるのは、限定的なケースであるといわれています。
6.出ないとどうなるか
離婚調停に、当事者の一方が欠席すれば、話し合いをすることができません。
そして、欠席により、話し合うことができず、合意が成立する見込みがないと判断されれば、離婚調停は、不成立として終了することになります(同法272条1項)。
また、離婚調停に、正当な理由なく行かない場合、過料の制裁が科される可能性があります(同法51条3項)。