基礎知識 (嫡出否認 親子関係不存在確認)
目次
1 嫡出子と非嫡出子
民法上の分類として、子は、嫡出子と非嫡出子に分類されています。
さらに、嫡出子は、推定される嫡出子と推定されない嫡出子に分けられます。
これらの分類をまとめた表は、次のとおりです。
嫡出子 |
推定される嫡出子 |
①妻が婚姻中に妊娠した子 |
②婚姻成立の日から200日経過後に妻が生んだ子 |
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③婚姻の解消又は取り消しの日から300日以内に元妻が生んだ子 |
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推定されない嫡出子 |
(婚姻前に妊娠)婚姻から200日以内に生まれた子 |
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妊娠・出産の時期は①②③にあてはまるが、妻が夫の子を妊娠する可能性がないことが客観的に明白であるため、例外的に嫡出推定されない子 ※ |
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非嫡出子 |
法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子 |
※ 具体例として、夫が長期の海外出張、受刑、別居等で子の母と性的交渉がなかった場合などがあげられます。
2 嫡出否認の訴えと親子関係不存在確認の訴え
2-1 嫡出否認の訴え
嫡出否認の訴えは、推定される嫡出子との法律上の親子関係を争う手続きです。
夫が、子の出生を知ってから1年以内に訴えを提起しなければなりません。
2-2 親子関係不存在確認の訴え
親子関係不存在確認の訴えは、推定されない嫡出子や非嫡出子との法律上の親子関係を争う手続きです。
子、子の母、子の父(戸籍上の父)のほか、子の実父など親子関係について直接身分上利害関係を有する第三者が、訴え提起できます。訴え提起の期限もありません。
2-3 嫡出否認・親子関係不存在確認-まとめ
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嫡出否認の訴え |
親子関係不存在確認の訴え |
訴え提起できる人 |
子の戸籍上の父 |
子 子の母 子の戸籍上の父 子の実父など |
期限 |
子の出生を知ってから1年 |
なし |
対象 |
推定される嫡出子 |
推定されない嫡出子 非嫡出子 |
3 嫡出否認・親子関係不存在確認-手続きの流れ
嫡出否認の訴え及び親子関係不存在確認の訴えには、いずれも調停前置主義の適用があります。
したがって、訴え提起に先立って、家庭裁判所に、嫡出否認調停又は親子関係不存在確認調停を申し立てる必要があります。
嫡出否認調停又は親子関係不存在確認調停において、当事者間で、嫡出子でない又は親子関係不存在の合意ができた場合、家庭裁判所が必要な調査を行った上で、その合意が正当であると認められれば、合意に従った審判がなされます。
合意ができなかった場合、嫡出否認訴訟又は親子関係不存在確認訴訟を提起し、親子関係を争うことになります。
嫡出否認の訴えや親子関係不存在確認の訴えは、裁判手続きの選択が難しいです。
また、訴訟に先立って、嫡出否認調停や親子関係不存在確認調停をしなければなりません。
当事務所の弁護士なら、ご依頼者様のケースに合った裁判手続きを申し立て、各調停に同席することから、裁判所や調停委員とのやりとり、相手とのやりとりも全て任せることができます。
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